安心して遊べる公園は3つの年齢帯を考慮すべき~調査レポート学(識者コメント)

安心して遊べる公園

調査レポートを踏まえ、公園のチカラLAB 特別アドバイザーである荻須隆雄先生にコメントいただきました。公園は遊んでいる子ども同士の安全などを考えると、遊具を配置するエリアを1~3才、3才~6才、6才から12才という3つの年齢帯に分けるなどの配慮が必要など、幅広い視点での考察となっています。

調査結果への学識者コメント
公園のチカラLAB 特別アドバイザー 荻須隆雄先生

3才未満や3才~6才未満くらいの乳幼児・幼児に重点を置く都市公園の整備が必要です。

公園=子どもが遊ぶ場所というイメージはありますが、安全性と発育・発達の観点から、「子ども」とひとくくりにすることには、無理があります。3才未満、3才から6才未満、6才から12才というように、3つの年齢帯に分けて考える必要があります。
まず安全性ですが、本調査に協力してくれたお母さんたちの回答にもあるように、よちよち歩きの乳幼児・幼児とスピードも体格も違う小学生が同じスペースで遊ぶ状況では、危険性が大きくなります。双方がどんなに遊び方を工夫しても、共存するのは難しいでしょう。近年、首都圏では上記のような年齢帯で遊ぶエリアを3つに分けて、それぞれの年齢に適した遊具を配置する公園の事例も出てきました。また、小中学生が遊ぶエリアは高いネットで囲い、思いっきりボール遊びができるようにしている所もあります。
特に幼児期は、特定の運動の上達を目指すよりも、外遊びを通して、走る、跳ぶ、滑るなどのさまざまな動きをすることで、運動神経が身につくと考えられています。乳幼児・幼児向けの遊具の設置のほか、這い這い、寝転ぶ、転がることができる芝生などのコーナーなどもあれば理想的です。

待機児童の解消を狙う新設の保育所などにとっても、保育環境としての「園庭」の代わりとして都市公園を考えることも重要です。

アンケート調査の結果とは直接関係はありませんが、別の視点からも幼児に重点を置く都市公園の整備を考える必要があります。なぜなら、待機児童の解消を目指して保育所などが新設されていく中で、専用の園庭を確保できない保育所などが、都市公園を園庭の代わりとして満2才以上の幼児を遊ばせる機会が増えることが見込まれるからです。
また、現在は国家戦略特区だけで認められている都市公園内の保育所設置について、国土交通省が全国で可能にする施策を進める方針です。
子どもの心身の発育・発達のために、外遊びは不可欠です。乳幼児から発達状況に応じた食生活、適度な運動、充分な休息・睡眠という「健康三原則」が重要であり、運動をしてお腹が減る、疲れて眠るというように、外遊びはこの「健康三原則」に深いかかわりがあります。
園庭を持たない保育所などは特にそうですが、都市公園まで出掛けて外遊びをする機会は、恐らく1日1回が限度でしょう。そうした限られた時間内で、充分かつ効率的に外遊びができるように、幼児向けの遊具をはじめ水栓設備、トイレや地表のクッションなどは極めて重要な保育設備と位置付ける必要があると考えます。また、そのような幼児に重点を置いた都市公園は、近隣に住む幼児にとっても快適な遊び環境となるでしょう。

安心して遊べる公園

清潔な公園のために地域住民としてできることを考えましょう。

今回のアンケート調査は規模の小さい身近な都市公園を想定し、6才までの子どもを育てているお母さんを対象にしたからでしょうか、安全・安心、身近か、楽しさの他に、「清潔」という言葉が目立ちました。これは乳幼児・幼児の健康を考えれば当然でしょう。
規模の小さい都市公園の多くは自治体による管理だけでなく、町内会や近隣のボランティアなどが清掃などに関わっているケースが多く見られます。清潔に保つためには、犬を散歩させたら糞を始末する、ネコや鳥にエサやりしないなどの利用者の心掛けが重要ですが、子どもを遊ばせるお母さんもトイレを汚さないなど、ご自分でもできることを考えてみてはいかがでしょうか。
繰り返しになりますが、乳幼児・幼児の発育・発達のために外遊びは必要不可欠です。お母さんも忙しいとは思いますが、なるべく公園などに子どもを連れ出し、短時間でも外遊びができるような生活の工夫をして欲しいと思います。

調査概要およびお問い合わせ先

調査タイトル: 乳幼児・幼児が安心して遊べる公園に関する調査
調査対象: GMOリサーチ社のリサーチパネル会員を母集団とする
全国の現在0才から6才までの子育てをされている
20才から40才代の女性
調査期間: 2016年12月12日~12月13日
調査方法: インターネット調査
調査地域: 全国
有効回答数: 551名
調査協力会社: GMOリサーチ株式会社

●本件に関するお問い合わせ先
公園のチカラLAB編集室
運営会社:株式会社キャップスアソシエーション 光岡(ミツオカ)、左納(サノウ)
電話:03-5770-1758 FAX:03-5770-1748 メール: info@caps-inc.jp

安心して遊べる公園■乳幼児・幼児が安心して遊べる公園に関する調査レポート
調査結果の詳細は、こちらのPDFファイルでご紹介しています。ぜひ、ご覧ください!

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プロフィール
公園のチカラLAB 特別アドバイザー 荻須隆雄先生
荻須隆雄東京学芸大学大学院教育学研究科修士課程修了。旧厚生省児童家庭局育成課主査(厚生技官)、埼玉県立大学保健医療福祉学部教授等を経て、2013年3月まで玉川大学教育学部教授。博士(学術)。主な著書に『遊び場の安全ハンドブック』(共著 玉川大学出版部 2004、こども環境学会:第1回こども環境論文賞受賞<2006年4月>)、『保育所における事故防止・安全保育』(共著 日本保育協会 2003)など