公園に行ったらほとんどの子が砂遊びをしますよね。でも、年長さんぐらいになったら“卒業”してしまう遊びと思っていませんか?ちょっとした工夫で子どもの感性がもっと進化するスーパー砂遊びに変化しますよ。

砂がただ置いてあるだけの砂場。でもそのシンプルさこそが最大の魅力です。決まった遊び方がない分、子どもたちはわくわくしながら、自由に発想を広げて遊ぶことができます。からだを動かす、道具を使う、友達といっしょになって何かする・・・など、年齢ごとに子どもの遊び方もどんどん“進化”します。その“進化”のプロセスに注目すると、砂遊びを見ているお母さんお父さんも、わが子の成長を楽しむことができますよ、きっと。
遊び方で分かる、子どもの成長5つのSTEP



STEP1:砂との感覚的な出会い
砂遊びは砂に触れる、見るという出会いから始まります。そして、砂の上に座ったり、歩いたり、やがて1才数か月になると、筋肉や関節、 バランス感覚を総動員して、自分の背丈と同じくらいの砂山に登ったりするようになります。


左の写真のように、子どもの手の甲にさらさらと砂を落として、砂の感触に少しずつ慣れるようにします。右の写真のようにプリンの空き容器などで、子どもの目の前にどんどん型抜きをしてみるのもよいでしょう。それを手で崩し始めたら、関心を持ち始めた証拠です。触覚的な刺激の前に視覚的な興味を持つことが、砂遊びへの始まりとなることが多いのです。
STEP2:道具を使って遊ぶ
1才頃から砂で遊ぶというよりも、モノを持って砂をたたいたり、突きさしたりとモノで遊んでいる状態になります。逆に、モノがないとなかなか砂場での遊びは始まりません。


左の写真は1才前半(握っているだけ)、右は1才後半以降(砂をすくえる)
STEP3:自分の手を使って砂で遊ぶ
手の感触がより敏感になり、手や指がうまく動かせるようになる2才ぐらいからは、自分の手で直接砂にふれて遊ぶようになります。


トンネル お団子
STEP4:ごっこ遊びでイメージと言葉が広がる
3才ぐらいになると、子どもたちは生活体験やお友達の広がり、そしていろんな言葉を覚えることによって様々なイメージをふくらませ、砂を使って自分の想いをカタチに表すようになります。その想いは言葉によって他の子どもたちにも伝わり、ごっこ遊びがはじまります。

砂遊びは4才で卒業・・・
という認識のお母さんも多いですが、実は違うんです。
道具などの工夫によっては、砂遊びもアートに進化する。
名付けてスーパー砂遊び!

笠間浩幸 先生
大学で幼児教育学を教えながら、「砂場と子ども」について30年近く研究。近年は大人が砂遊びを楽しみ、その魅力や意義を知るためのワークショップ「プレイフル・サンドアート」を主宰。『<砂場>と子ども』『保育者論』など著書多数。
1958年宮城県生まれ、福島県育ち。
笠間先生が代表を務めるNPO法人福島 SAND-STORYの
Webサイト(https://www.fukushima-sand-story.com/)
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